俺様副社長のターゲット

流れる景色から尚輝に視線を向けた。



「好きだから。尚輝をもっと知りたい。もっと近付きたい。」


「朱里。」


「だから尚輝とならいいよ。」


「…………。」



無言になる尚輝から視線を逸らした。



『ちょっと重すぎたかな?尚輝は冗談のつもりで言ったのかもしれない。』



「ごめん、今の言葉は忘れて。尚輝の冗談を真に受けちゃったみたい。」



私は笑って誤魔化した。それでも続く沈黙に早く家に着いて欲しいと願った。


暫くすると家の前に尚輝の車が停まった。



「じゃあ、また明日ね。送ってくれてありがとう。」



車から降りようとすれば、尚輝に腕を掴まれた。振り向いた先にある尚輝の顔に体が固まった。



「さっきの言葉は嘘じゃないよな?」


「えっ?」



真顔で聞いてくる尚輝をじっと見つめた。



「本当に抱いていいのか?」


「…………嘘じゃないよ。でも尚輝には重すぎたよね?もっと知りたいとか、もっと近付きたいなんて。」