俺様副社長のターゲット

「朱里、開けろ。」


「いや。」


「俺が変に思われるだろ。」


「待ってて。」


「開けろ、朱里。俺が変な奴だと思われても良いのかよ。」



尚輝の声に仕方なく扉を開けた。尚輝がホッとした感じで立っていた。


私は鏡に映る自分を眺める。尚輝の視線が背中に突き刺さる気配に顔だけ振り向く。



「尚輝、見すぎ。」


「別に彼女だから問題ないだろ。」


「尚輝、どう?」


「…………。」



尚輝からの返事はない。



「尚輝、どう?似合わない?」


「………ヤバイ………。」


「はあ?」



私をじっと見つめている尚輝に近付き、180度回転させて私から扉に向きを変えた。



「着替えるから。」


「………ああ。」



素直に扉から出ていく尚輝を不思議な目で見送る。あまりにも素直に出ていくので拍子抜けだ。



私は着替えると試着ルームを出て尚輝に近付く。