俺様副社長のターゲット

「すみません、副社長。」


「悪いな、尚輝。」



後ろから聞こえてくる声にチラリと尚輝を見れば、無視して運転している。不機嫌なのがわかる。



「賢人は用意したの?」


「賢人?」



真央の言葉に後ろを思いっきり振り返った。



「朱里、知らないのか?賢人の彼女が伊藤だと。」


「嘘?」


「朱里、ごめんね?内緒にしてるから。」


「はあ?」



寝耳に水だ。まったく知らなかった。



「賢人を呼ぶ時点で気付くかとおもったが………。やっぱり鈍いな。」


「なっ、尚輝と賢人さんが仲良しだからだと思ったのよ。真央と賢人さんが?えっ?本当?」


「鈍感。」



後ろを向いていた私は尚輝に向き直り睨んだ。クスリと笑う後部座席に真央を睨んだ。



「真央も教えてよ!」


「だって~、内緒だから。」


「内緒でも教えて!」



クスクスと笑う三人に助手席に力なく凭れた。