俺様副社長のターゲット

「飯、行くぞ。」



尚輝の言葉に慌てて部屋を出ようとした。



「鞄、取ってくる。」


「奢ってやる。」


「いやいい。いつも奢ってもらうから。」


「時間が勿体ない。」



私の腕を掴み、半ば引き摺られる形で強引にエレベーターに向かう。



「尚輝、手ぶら。」


「………。」



エレベーターに連れ込まれ、溜め息を吐いて諦めた。


ロビーを尚輝と二人で歩く。



「あっ、朱里さん。」



チラリと見れば、陽輝と陽輝の友達らしい数人のグループが私達を見ている。


手を振る陽輝に、私も手を振り返す。



「朱里さん、お昼?」


「うん。」



大きく頷けば、近付いてくるグループ。陽輝がにっこりと微笑んだ。



「一緒しても?」


「………何、その笑み。」


「駄目?二人で行きたい?」



陽輝の言葉にチラリと尚輝を見上げれば、目と目が合った。



「いい?」


「あっ、うん。副社長、宜しいですか?」


「………。」



苦笑いで陽輝以外の人達に頷いた。尚輝は機嫌が下降気味だ。