俺様副社長のターゲット

お昼前に内線が掛かってきた。



「松井、部屋に来い。」


「はい。」



私は疑う事もなく、仕事の用件だと思い副社長室に向かった。


部屋に入れば、ソファーには社長が腰掛けていた。



「副社長、お呼びですか?」


「ああ。親父、朱里と付き合う事にしたから。」



私は目を見開いて尚輝を見た。社長の視線を感じて、ソファーに腰掛ける社長を見た。



「松井さん、本当かね?」


「…………はい。」


「そうか。尚輝を頼むよ。」



ソファーから立ち上がる社長に深く頭を下げた。



「社長、申し訳ありません。」


「何がだね?」


「以前、副社長は会社を左右する立場だと仰っていました。私と付き合う事で変な噂が立ったら申し訳ありません。」


「変な噂?」



私は下げていた頭を上げて、社長を真っ直ぐに見た。



「副社長が奪ったと………。付き合いが知れれば、きっと噂になると思うんです。」