俺様副社長のターゲット

頭を上げた尚輝が笑みを浮かべた。



「夜分に申し訳ありませんでした。では失礼します。」



颯爽と帰っていく尚輝の背中を見送った。お母さんも呆然と見送っている。



「お母さん、入るよ。」


「あっ、うん。」



声を掛けられたお母さんが玄関を施錠して家に入っていく。


私はリビングにいる両親の前に座った。



「朱里、今の話は本当なの?副社長さんと付き合ってるの?」



お母さんの言葉に溜め息を吐いた。



「そう。挨拶なんていいって言ったのに。」


「朱里、良い人じゃないか。挨拶できる男は信頼できる。」


「そう言うもの?」


「キチンとした方で安心だ。初めてじゃないのか?キチンと挨拶をしてくれたのは。」


「…………そうかも。今日は寝るね。朝にお風呂に入るから。」



私はリビングを出て、自分の部屋に向かった。


尚輝は両親に好印象だ。前に来た時も親には印象が良かった。