俺様副社長のターゲット

予想通り、お母さんが中から顔を覗かせた。



「朱里?大丈夫なの?」


「夜分に申し訳ありません。会食で遅くなりましたので送ってきました。」


「あら、副社長さん?毎回、本当に申し訳ないです。朱里、お礼を言ったの?」



お母さんの言葉にニヤリとする尚輝に眉間の皺を寄せた。



「それと報告させて頂きたい事がありまして。」


「あら、朱里が何か?」


「会社とは関係なく、一個人としてですが。」


「ちょっと尚輝先輩。」



お母さんが怪訝な顔で尚輝を見ている。私は尚輝の口に手を伸ばしたが、届く前に腕を掴まれた。



「朱里さんとお付き合いさせて戴くことになりました。今後は上司としてではなく、個人的にお伺いする機会も増えると思います。」


「…………お付き合い?」


「はい。今後とも宜しくお願い致します。」



尚輝がお母さんに頭を下げた。お母さんは唖然と尚輝を見つめていた。