俺様副社長のターゲット

慣れた様子の副社長がノックをすると部屋に入っていく。


私はその後ろから部屋に入った。



「聡、元気か?」


「ああ。尚輝も元気か?」



名前で呼び合う二人に入る隙間はない。私はお辞儀をして挨拶をする。



「副社長秘書の………。」


「知ってる。松井朱里だろ。高校時代も美人だったが、もっと美人になったな。」


「………ありがとうございます。」



陽輝と似てる。チャラそうな男だ。



「何?チャラそうとか?」


「えっ?」


「図星?」


「いえ、滅相もございません。」



私は頭を横に振って否定した。勘が鋭い。



「会議室に案内する。ソファーに腰掛けていてくれ。」


「ああ。松井。」


「いえ、私は………。」


「いいから座れ。」



副社長に腕を引っ張られ、ソファーに腰を下ろした。


クスクスと笑う悠木さんにキチンと座り直した。



「副社長、引っ張らないで。」


「さっさと座らないからだろ。」



私達の言い合いにクスクスと笑う声が聞こえていた。