俺様副社長のターゲット

「朱里、呼べよ。」


「………。」


「ほら、呼べ。」



何度も急かす尚輝に黙り込み、チラリと時計を見れば出掛ける時間だ。



「副社長、お時間です。」


「チッ……、行くか。」


「はい。」



私は小さく息を吐き出した。



「帰りは楽しみにしてる。」



余計なプレッシャーが押し寄せる。尚輝が会計を済まし、車に歩いていく。



「副社長、お金………。」


「自分の女の分ぐらい払う。ほら、乗れ。」


「いや、でも。」



私の言葉を無視して車に乗り込む副社長に、私も急いで車に乗った。



「でも副社長、私の分ぐらいは………。」


「俺の女だろ?」


「えっ?」


「朱里、違うのか?」



ちょっと怒ったような声に私は小さく頷いた。



「はい。」


「なら甘えろ。行くぞ、遅れる。」


「はい。」



結局、尚輝には敵わない。