満員電車から出れば、独特の夏の暑さが襲う。私は人の流れに乗り、改札から外に出た。
「あつっ………。」
小さな呟きが漏れた。背後から笑う声が聞こえてチラリと見れば、すっかり仲良くなった陽輝が立っていた。
「おはよう、朱里さん。」
「おはよう、陽輝くん。」
居酒屋で煌太と別れて以来、私達は急激に仲良くなった。
あの日から月日は流れ、春から夏の季節に変わっていた。
陽輝の言葉が効いたのか――――煌太とはあの日以来、会っても話してもいない。
「俺らの部の女子社員は割りと涼しそうな格好してるのに秘書課は大変だね。」
「重役相手の仕事だからスーツは必須よね。そう言う陽輝くんもスーツだし。」
「俺は今日、他社で打ち合わせ。だからだよ。暑い。」
陽輝が上着を脱いで手に持った。
「朱里さんも脱げば?」
「止めとく。」
「夏は薄着だからね?男も大変だよ、見る先がさ。」
「セクハラ発言。」
「訴える?」
「………。」
クスクスと笑う陽輝を睨んだ。
「あつっ………。」
小さな呟きが漏れた。背後から笑う声が聞こえてチラリと見れば、すっかり仲良くなった陽輝が立っていた。
「おはよう、朱里さん。」
「おはよう、陽輝くん。」
居酒屋で煌太と別れて以来、私達は急激に仲良くなった。
あの日から月日は流れ、春から夏の季節に変わっていた。
陽輝の言葉が効いたのか――――煌太とはあの日以来、会っても話してもいない。
「俺らの部の女子社員は割りと涼しそうな格好してるのに秘書課は大変だね。」
「重役相手の仕事だからスーツは必須よね。そう言う陽輝くんもスーツだし。」
「俺は今日、他社で打ち合わせ。だからだよ。暑い。」
陽輝が上着を脱いで手に持った。
「朱里さんも脱げば?」
「止めとく。」
「夏は薄着だからね?男も大変だよ、見る先がさ。」
「セクハラ発言。」
「訴える?」
「………。」
クスクスと笑う陽輝を睨んだ。