俺様副社長のターゲット

「離したくない想いが狂気に変わる。」


「狂気………。」


「今日の煌太は狂気に変わってた。別れ話をした途端、別人のように変わってた。そこに尚輝先輩から電話が来たの。本当に救われたって感じた。」


「チッ、大丈夫だったか?」


「尚輝先輩に救われた。だから本当にありがとう。」



私はお店の前に到着すると尚輝の前に立ち塞がった。不思議そうに私を見下ろす尚輝を見上げた。



「尚輝先輩、お礼に今日は奢ります。」


「ははっ、悪いな。」


「行きましょ。尚輝先輩の大好きなコーヒーがありますよ。」


「ははっ、ああ。」



尚輝と店内に入り、コーヒーを注文する。温かい日差しが照り付けていたが、まだまだ肌寒い季節だ。


私は窓の外を見た。さっきまでの出来事が嘘のように穏やかな景色が見える。



「朱里、来週から秘書に戻れ。」


「えっ、でも社長命令でしょ?」


「話はつけておく。それと一人で帰るな、アイツが何してくるか分からないからな。」


「何もしてこないよ。煌太は根は優しい………。」


「優しい奴ほど怖いかもしれない。用心に越したことはない。いいな。」



私は尚輝を見て溜め息を吐いた。



「また噂になる。社長に怒られるよ?」


「話はつけておく。」



尚輝は言い出したら聞かなさそうだ。私は窓の外を見つめていた。