俺様副社長のターゲット

尚輝が私の手を繋ぎ、お店に向かって歩き出した。私は温かい手を握り返した。



「尚輝先輩、今日は本当にありがとう。」


「アイツ、絶対に諦めてないだろうから。何かあれば言えよ、絶対に。」


「ありがとう。」



尚輝の気持ちが嬉しかった。


最近、煌太には気持ちを押し付けられていた。私の気持ちはずっと苦しかった。



『煌太と寝たの。』



真純の言葉を聞いた時、何かが弾けた。一気に煌太への嫌悪が生まれてきていた。



「前に陽輝君に言われたの。」


「陽輝って俺の弟の?」


「そう、海外事業部で同じプロジェクトでしょ。」


「ああ、そうだったな。陽輝、朱里を知ってるのか?」


「同じ高校の後輩らしいよ。私も驚いたけどね、尚輝先輩に弟がいたなんて。」



私は隣を歩く尚輝をチラリと見れば、私と視線が合った。