「ぎゃあ〜〜!でた〜〜」
あまりにも怖すぎて背筋が凍りつく
半泣きで逃げようとしたら

「逃がしませんよ」
だんだん縮まる距離を見て
イヴはヘタっと崩れ落ちてしまった

「もうやめて」
か細い声をあげてロイを見上げた

私はダメなのだ、こういう霊まがいなものは
まぁ、ロイは霊じゃないんだけど
今は怨霊の様にしか見えない

「冗談ですよ、ただ少しお仕置しただけです
では一緒にお茶しましょう」

そう言ってロイは眼鏡をイヴに掛けた

「は、はい」
イヴはそう言うしかなかった
目の前には雷に打たれて
意識を失っている三人がいる

三人とも結構悲惨な状態だ

ロイが差し出した手を取らずに
一人で立とうとしたら
自分が思ってたより腰が抜けてたみたいで立ち上がれずに
またペタンと地面に戻された

「無理してはいけませんよ」
ロイは少し困りながらも
優しく両手で支えた

「な、なによ一人で立てたわよ」
イヴは支えを断ったのに
結局支えられることになったのが
恥ずかしいのか
真っ赤になった

”素直に仰ったらよろしいのに”
ロイはイヴの後ろ姿を見ながら
一人クスクス笑っていた