目が覚めた時私は誰かの腕の中にいた
ぼんやりとした意識の中で私を持ち上げているのは絶世のイケメンだった

「目が覚めましたか、申し訳ありませんでした
私の不注意で貴方に怖い想いをさせてしまった
以後こういうことが起きぬよう対策を取らさせていただきます
貴方はもう少し眠ってた方が宜しいでしょう」

そこでまた私の意識は途切れた




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「貴方何て生まれなければ良かったのよ!」
お母さんがヒステリックに叫んだ

「お前がいたせいで俺たちは殺された」

「ごめんなさい、ごめんなさいお母さん、お父さん」
イヴは涙を堪えていたが、ぽろぽろと目から流れ出ていた

「そう思っているなら貴方も死になさいよ
貴方がいるとまた不幸になる人が出て来るわ」

イヴは思いとどまることはなく意を決して言った

「分かった、お母さんがそう望むなら死ぬよ
これで私の罪が償えるとは思ってないけど」

イヴはいつの間にか床に置いてあったナイフを取ろうとした時

「いや待って、そのナイフかして」
お母さんがそう言いナイフを手に取った

「私が殺すわ、そうしないと罪を償ったと言えないじゃない。
だって自殺したら全責任をもう負わなくて済むじゃない、せめて最後も苦しまなきゃ」

そう言ってお母さんはナイフをこちらに向けた
そして私は刺された
お腹からズキズキ痛みを感じ歯をくいしばる
最後はお母さんに言わなくちゃ

「お母さん、お父さん今までありがとう」
顔を上げてお母さんとお父さんの顔を見た時
二人の顔ではなかった
人間とは思えないような酷い姿
神話に出て来る鬼のような

「貴方達は誰!」


正体を知りたいのに私の体は目覚めの方向へ向かっていった