…だがもう遅かった……。
ピキピキと異様な音を立てて
マルドが倒れたのだ
あんなに五月蝿かった観客も
何が起こったかわからず
誰一人と声を発しない
実況のマイちゃんですらも職務を忘れていた
イヴは倒れたマルドに近づくと
手をかざし更に衝撃を当てた
その時のイヴの表情は悪魔のような微笑だった
審判がハッとした様にイヴの勝利を告げた
告げなかったら戦闘はまだ続いていただろう
「勝者イヴ選手
な、ななんと初等部にして初の、マルド・ヨーリヒンに勝利しました盛大な拍手と歓声を!」
マイちゃんは戸惑いながらそう言った
