対戦する両者がリングに立った
約10メートル先にはそら恐ろしい、鬼でも逃げる様な形相のマルドが殺気を放ちながら
関節をボキボキ鳴らしていた
だがイヴはもう自分の世界に入っていた
自分の身体の全てを意識し繋がり
勝利へのシュミレーションを
頭の中で反復していた
そしてその時が来た
リングの外では審判と医療班が
固唾をのんで凝視している
「御二方心の準備は整いましたか
ではレディーファイト」
マイちゃんの合図の後に
勢い良くゴングが鳴った
途端マルドがこちらに突っ込んで来た
魔法を使う気配が無い
相手は魔法を使わない気だ
だがそれはイヴにとって都合が悪かった
計画変更
イヴの目には勝利しか映ってなかった
というかもう何も映っていなかった
