農民生まれの魔女


そう言ってマルド・ヨーリヒンは驟雨のように
過ぎ去って行った



〜対戦当日の朝〜

「 や、やっと完成した」

イヴは目の下に隈を作りながら
机上に突っ伏した

決戦までの二週間イヴもただ勝つ事に自信があった訳ではなく
ちゃんと勝利への計画を立てていたのだ


「これでも昔は天才と呼ばれたこの頭脳で
必ずや勝利を掴んでみせる」


振り上げられた拳は弱々しかったが
力強く握り締められていた