「いよいよ今日は卒業式ね
二人とも頑張るのよ!」
母がそう言うと
「別に立って座って
歌でも歌っとくだけだろ」
優樹が言い返すが
「でも、優樹は答辞を読むのでしょ?
ビデオにちゃんとおさめなきゃね」
母のテンションを更に上げるという
結果に終わってしまった
舞い上がる母を無視するかのように
優樹は立ち上がり
「優奈、置いて行くぞ」
そうそうと家を出ようとする
「優樹、待って!」
私は出来たての朝食に目を向ける
食パン、スクランブルエッグ
コーンスープ
食パンを手に取り
「行って来ます!」
私は優樹を追うように家を出た
