「答辞
希望あふれる
春麗らかな季節となりました
野山や草木の芽吹きが
春の訪れを感じさせる
今日、この良き日に
私達卒業生一同は
卒業証書を受け取りました」
優樹は淡々と答辞を読み上げていく
周りから聞こえてくる
啜り声
普通だったら
貰い泣きとかするのであろうが
私は違う
優樹が泣くなら
話は別なのだろうが
彼もこのくらいの事で泣かないだろう
「最後になりましたが
桜花中学校の益々の発展を願いまして
お別れの挨拶といたします」
定番の締めを言う優樹に
やっと終わるのかと思いつつ
彼のことだから
これでは終わらないのだろう
「平成25年3月17日
生徒代表 神崎優樹」
…
終わり?
優樹にしては普通だったな
と思っていたら優樹はマイクを手に取り
こちらを振り返る
そして彼は口を開いた
「あと、これからも優奈に近づく奴は
わかっていると思うが
タダじゃすませねぇからな」
体育館中に響いた優樹の声
周りは騒ぎ立てる中
翔と紗妃
そしてクラスメイトは笑ってる
そんな中
私は優樹の言う
ユナさんについて
必死に記憶を巡らしていた
