「頭でも打ったのか?」

聞きなれた声が
また後から聞こえてくる

「そんなんじゃないわよ…ただ」

私はとっさに言いかけたことを後悔した

「ただ?」

絶対に突っ込んでくるからだ

私は諦めて言いかけた事を言う


「私達っていつも一緒だったなって
 そう思っていただけよ」

右の口角が
少しだけ上がった彼は

「双子だからな」

優樹は勝ち誇ったかのような
表情を見せながらそう言うと

「ぐずぐずしていると
 また遅刻するぞ」

いつも一言多い言葉を被せてくる