Visual My Brother





この家、変わんねーな。




お兄ちゃんらしい口調のこの
一言がが全然違う人間の声で
聞こえてきたのだ。




私はかなりの違和感と
気味悪さを同時に感じた。







誰、この人。
本当はお兄ちゃんの
フリでもしてんじゃないの。




他人の気配しか感じとれない。
お兄ちゃんの形跡が全く無い。



黒い髪も
黒い肌も
あの一重も
がっしりした体系も
声帯でさえ







昔のままじゃない。