すると、やっぱり。

「あ゛っ」


結構好きな方だった雑誌の付
録の鏡が見事に放射線を作っ
て割れていた。



あまりにも虚しかったので割
れ目を指でなぞってみる。

鏡は私を呪ってくるように
一つ一つの破片に私を一人ず
つ映し出した。

自分の不注意が原因でこんな
ことになってしまった。

ため息が出てしまう。









「割れちゃったな」

突然、背後から若い男の声。







「え?・・・っ痛!!」

男の声に放心状態だった私は
まだ鏡に触れていた指を切っ
てしまった。


傷口を急いで見てみると、
鮮やかな鮮血がぷくりとビー
ズぐらいの大きさに溢れ出て
きている。