Visual My Brother

「まあ、要するに俺が受験せずに
歌手になることに反対している
みたいだけど・・・」





「いい加減にしなさいっ!!」




またお母さんが身を乗り出して
吼えた。

お兄ちゃんは、ほらな、という
感じで私をチラッと見ると
両親に向き合った。





お母さんが座りなおすのを
見てから、お父さんが話し出す。


「あのな、歌手なんて大学卒業
してからでもなれると思うぞ」



お兄ちゃん、答える。



「年とった新人歌手なんて
誰も見向きしねーよ
演歌歌手じゃないんだぞ」


「20代でデビューは別に
変じゃないと思うが」

「それだったら20で
デビューしたいよ」


「じゃあ、お前大体
どうやったら歌手になれる
のか分かってるのか?」