しかし1番とほぼ同時に。 競技場がどよめいた。 みんなの視線がビジョンに 集中する。 どちらが速かったかより、 みんなタイムを気にしていた。 お兄ちゃんも荒い息をして、 ひざに手をつきながら ビジョンを上目で見つめていた。 パッと順位が出た。 1番は大会新記録だった。 お兄ちゃんは 2番だった。 その差0.2秒。