ネロはそういう私を相手に
せず、勝手に冷蔵庫をパカリと
開けた。
そこにはコインケーキが
きれいに皿に盛り付けられて
入っている。
ネロは『あれ、こんなのいつ
入れたっけ』と首をかしげる。
私は口角をゆがめた。
見つけちゃったね。
心のなかで喜ぶ。
「・・・これ、食べる?」
ネロが皿をさしだしてきた。
私が食べたら意味がないよ。
あんたが食べるからこそ意味が
あるんだよ。
「いらない」
私は首を横にふる。
「俺もいらない、食えよ」
ネロはコインケーキの皿を
テーブルの上に置いた。
コトッ。
硬い物特有の音だ。
私はめんどくさそうな顔を
わざとつくり、ネロに
口答えをする。
