Visual My Brother

「だろ?じゃ、150円分な」

そう言ってネロは私の背中を
どん、と叩いた。
昔陸上で鍛えた腕で叩かれた
ので、私は前につんのめった。


「うぉあっ!!

・・・あの、ケーキはいつ
食べたらいいの?」



「あ?んなもん全部
終わってからだ」




ぜ、全部?



「ムリじゃんそれ。
明日になっちゃうよ、
ケーキ腐っちゃうよ」




「じゃあ腐らねーうちに
とっとと終わらせろ」


ネロはイスに腰掛けた。
チーズケーキにかけてあった
布をかけ直していく。




「終わらせたいけどさ、
何も言われてないから
何も出来ないんですが」



ネロは私をちら、と見た。





「そうだな・・・じゃあ
簡単に皿洗いでも頼もうか」




あ、けっこう質素だった。