Visual My Brother

しかし

「・・・じゃあいいけど」



というとテーブルの所に戻り、
元のようにご飯を食べ始めて
しまった。


あれ?ネチネチ文句言われると
思ってたのに。


不思議に思いながら私も食卓に
戻ってご飯を食べ始めた。




しばらくしてネロは
「ごちそうさま」
と自分の食事を終えると
立ち上がって台所の方へ歩いた。

食器でも洗うのか、と思ったが
聞こえるのが蛇口から勢いよく
水が出てくる音じゃなく、
冷蔵庫が開いた音。



まだ何か食べんのかな?



最後の一口を口の中に入れ
ながら考える。


バタン。

冷蔵庫が閉まった。
ネロは両手で何か持ってきた。

木で出来た円形の箱みたいな
少し大きい物。
何だろ。おひつ?中身は?



「気になってんな」

ネロはそう言うと私の前の
テーブルにその箱を置く。

「開けてみ」

開けてみって・・・
まあ素直に開けてやるけどさ。

私は木で出来た箱のフタを
パカッと開けてみた。