「あ、母さん?」
げ、お母さん?
私がネロの家についたか
確認の電話に違いない。
「どこから電話してんの?
・・・え、今から乗る?」
まだ飛行機乗ってないんかい。
でも、よく考えたら飛行機内で
電話はできない。かけられない
前に声を聞きたかったんだろう。
「・・・うん・・・うん・・・
・・・え、ユキ?代わろうか?」
そう言うとネロは受話器を私の
方に差し出してきた。
あんまり話したくなかったけど
お母さんがかわいそうなので
イスから立ちあがり、受話器を
受け取る。
「もしもし?」
『ユキ、あの太ったおじさん
何もしてこなかった?』
「・・・心配するなら
あんな人に任せないでよ」
