「ごめんな。俺が無駄な足掻きをしたせいで、永井を混乱させちゃってるよな」
無駄な足掻き…?
「加藤がそんなに嫉妬しなくても、永井はお前に惹かれてるよ。ただ、俺が告白したせいで少し混乱しているだけ」
沢先生は、さっきまで座っていた椅子に戻った。
「ダメ元で補講最終日に告白したんだ。その時点では、まだ永井の気持ちが定まってないだろうと思ったから」
キィっと音を立て、椅子に座った沢先生と向かい合う。
「けど、俺の読みはハズレた。永井が気にしていたことは、俺からの告白じゃなくて、加藤に避けられていることだった」
ドキ。
図星をつかれ、沢先生から目をそらす。
「それに気付いた時、俺たちは本当に夏で終わったんだと改めて思った。だから、永井が学校を休んだ日に、加藤に行かせた。二人の間を引っ掻き回したのは、俺だから」
真剣な表情で話す沢先生の言葉から、嘘はないと思った。
反らした目を戻し、沢先生を見た。
「!」
戻した瞬間、沢先生とすぐに目が合った。



