パン!!
「!?」
手を叩く乾いた音が、準備室に響いた。
その音でやっと、ヤスから視線を反らせた。
「加藤、やめろ。永井を責めてもしょうがないだろう」
手を叩いたのは、沢先生だった。
ドクン。
ドクン。
緊張なのか、恐怖なのか息が苦しい。
「…」
ヤスが怒ってた。本気でー…
私が、中途半端な態度をとってるからー…
「加藤の質問に答えるよ。だから、永井を責めるのはやめろ」
沢先生が椅子から立ち上がり、側まで寄ってきた。
「永井、大丈夫か?」
沢先生が、顔色を伺うように覗き込んでくる。
「は…い」
その視線から避けるように、返事をしながら俯いた。



