「で、なんだ?話したいことって」
準備室の扉を閉めたと同時に、沢先生が喋り出した。
ドキン。
沢先生は準備室の奥にある椅子に座り、こちらを見る。
「…」
隣に立ってるヤスを、こっそりと見上げる。
¨永井も…いいよね?¨
沢先生が来る前に、ヤスはそう言った。
私はその時に、すぐ返事ができなかった。
そのことに、ヤスも気付いている。
私の心は決まっているはずなのにー…
「沢先生はどうして俺に、永井の家に行くように言ったんですか?」
「!」
沢先生に直球で聞くヤスに驚く。
「先に宣戦布告したのは沢先生でしたよね?でも、俺を煽るようなこと言ったりして…何考えてるんですか?」
まるで喧嘩を売るように言うヤス。
「ヤ…ヤス…」
不穏な空気を感じ、隣にいるヤスの腕を引っ張る。
「まさか永井に告白したのって、離婚したら寂しくなるからですか?」
「!」
沢先生を煽るような言い方。
「ヤス!!」
そんな言い方ー…
「…そうかもしれないな」
「…」
…え?
ヤスを見上げていた顔を、目の前にいる沢先生に向けた。
今、何てー…



