思っていたことを言われ、驚き足が止まってしまう。
「よく言われるからさ、高校生が一人暮らしなんてって。しかも、親の勝手な都合で」
並んで歩いていたはずなのに、足が止まってしまったことによってヤスが数歩先に止まり、後ろに振り返った。
「確かに、周りから見たらそう見えるかもしれない。けど俺は、親だって人間なんだから長年一緒に居たら、他の人を好きになるのもあるのかなって思った」
振り返ったヤスの表情は、何とも言えない顔をしている。
「でもその考えは、ただの自己防衛だった」
ふっと笑ったヤス。
自己…防衛?
ヤスの言葉に何て返していいかわからない。
「そのことに気付いたのは、最近で…永井に出会ってから」
私に出会ってからー…?



