「あ、ごめん。鞄の中だ…」
ベットの上から、机を指さした。
「これ?」
「うん」
ヤスに鞄を取ってもらうとチャックを開け、課題を探す。
「えっと…」
数冊の教科書をあさっていると、鞄の奥底で金属音が擦れる音がした。
あれ…何か入ってる。
奥底まで手を伸ばし、音がしたものを手に取った。
「…あ…」
鞄の中から出てきたのは、ヤスからもらったチューリップのブレスレット。
この間の校門前のチェックで外して、鞄に入れたんだった。
「…それ…」
ヤスがブレスレットを見て、ボソッと言った。
ブレスレットに向けていた視線をヤスに向けた。
しかし、目が合ったと思ったら不自然に逸らされた。
そういえば、ヤス言ってたよね。
¨永井にピッタリだと思って、そのブレスレット¨ってー…
色々あって聞けなかったから、今聞いてみてもいいかなー…



