「永井、少しいいか?」 「!」 移動教室のため廊下を歩いていると、声を掛けてきたのは沢先生。 「…はい」 新学期が始まってから、沢先生と喋るのは初めてだ。 「こっち」 沢先生の後を付いて行く。 ドクン、ドクン。 "俺は、永井が好きなんだ" 最後に話したのは、沢先生から告白をされた日。 全てが片付いたら…と、沢先生は言っていた。 まさか、もう離婚したとか? 「永井、こっち」 「!」 沢先生とやって来たのは、屋上。 真冬のため、私たち以外は誰もいない。