準備室に入ると、沢先生はいなかった。 ほっと胸を撫で下ろす。 沢先生の机の上に課題を置こうとした時、机の上にあったものに気付いた。 ペットボトルの温かい紅茶と、メモ帳に書かれた手紙。 "補講、お疲れ。また、新学期に…" ドクン。 「…なんで…」 紅茶を手に取ると、まだ温かい。 「今さら…」 私の告白を受け入れてくれた時は、こんな優しくしてくれなかった。 言わないと、抱き締めてもくれなかった。 もう、終わった恋のはずなのにー…