美術室へ戻り、数十分後には課題は終わった。 道具を片付け、帰り支度をすると準備室へと向かう。 「…」 準備室のドアの前で、ノックするのを躊躇してしまう。 沢先生いるのかな… 息を潜め、準備室内を伺うように耳を澄ます。 シー…ン。 室内からは、何も音が聞こえない。 いないのかな? 遠慮がちにドアをノックするが、応答がない。 「…いないのか…」 静かに、ドアを開けた。