ドクン。
「嫁が浮気して、相手に本気になっちゃったから離婚して欲しいって。驚いたよ、全く気付いてなかったから」
ドクン。
どうして、私にそんな話をー…
「結婚したから、相手をずっと好きでいられるって保証はないんだなって思った」
一人言のように喋る沢先生の話を、聞きたくなくても心に刻まれる。
離婚?
相手をずっと好きでいられる保証がない?
何で私にそんな話をするの?
私には、もう関係なー…
「…永井は、今でも俺を好きか?」
ドクン!
カシャンー…
手に持っていた筆が、床に落ちた。
それを拾わずに、ゆっくりと後ろに振り返る。
「!」
「…永井」
いつの間にか背後にいた沢先生に、座ったまま抱き締められる。
「今でも俺を好きか?」
もう一度…
今度は、耳元で囁かれる。
「…っ」
私ー…
私はー…



