「そうじゃない…」
「え!?」
考えていたのが読まれたかと思って、身体が跳ねてしまった。
「風邪…うつったら大変だから…あと…永井の家の人が心配する…」
言葉を途切れ途切れに話す、ヤス。
本当に苦しそうだ。
「それに…一人暮らしの男の部屋にいるって永井の家の人が知ったら…よくない…余計に心配する…」
ドクン。
「ね…だから、帰った方がいい…俺は大丈夫だから…」
ヤスの熱くて汗ばんだ手が頬に触れた。
表情は苦しそうだが、いつもの優しい笑顔を向けてくれている。
「…っ」
こんな時でも優しいヤスに、胸がぎゅーっとする。



