会議室の机に、向かい合って座る。
ドクン、ドクン。
さっきから心臓の音がうるさい。
沢先生の顔もまともに見れない。
「今日なぜ呼び出されたかわかるか?」
「…いえ」
俯いたまま、そう答えた。
「…昨日、加藤とどこに行っていた?」
ドキン!
思わず、パッと顔を上げてしまった。
どうして先生が、私とヤスが昨日の帰りに一緒にいたのを知っているの?
「学校に通報があったんだよ。制服を着た生徒が仲良く手を繋いで、ベビーショップにいたと」
「!」
あ…
「お互いの名前を、¨永井¨と¨ヤス¨と呼び合っていたと。すぐに、永井と加藤のことだとわかったよ」
あの時店内にいた誰かが、学校に連絡したんだ。
ジロジロと見られていたから。
「そのことについてどう思う?永井は」
「え…?」
どうって…
「また誤解されるような行動をとって」
「!」
先生の一言に、かぁーっと身体が熱くなったのがわかった。
また、私とヤスのことをそういう風にー…
「べ…ベビーショップで買い物してただけで、何でそんな風に言われなきゃいけないんですか!?ただ私は…」
コンコン。
「!」
会議室のドアがノックされた。
「…はい」
沢先生が立ち上がり、ドアへと向かう。



