すると新八と左之助が近づいてくる。
「盛大に転んだな!見事だったぞ!」
悪びれもなくガハガハと笑い上げる新八。
咲耶は失礼な…、と思いながら新八をジトっと見つめる。
「おい新八、そんなこと言ったらかわいそうだろ?
まぁ、あんなに思いっきり顔面から床に飛び込む奴は初めて見たけどな!」
左之助は口元を押さえながらククッと笑った。
「原田さんまで…!
あ、あれは袴が長いのが悪かったんですよ…」
もごもごと言い訳を述べる咲耶だったが、先程のことを思い出すとまたもや羞恥にかられる。
「でも、咲耶さん腕はだいぶ立つように見えましたよ。太刀筋も全く乱れてませんでしたし。
転びさえしなければ平助も危なかったんじゃないかな」
3人のやり取りを見ていた宗次郎が言った。
「そう…だよ!!俺だってあんなに強いとは思ってなかったし…。
とにかく咲耶、あとで話聞かせてもらうからな!」
「話…ですか…?わ、わかりました」
なんの話だろう、と疑問を抱きながらも咲耶は浅く頷いた。
