黒い手紙と、白い文字。

想いにふけっていると、突然肩を掴まれる。

「なんだ、理音か」

「おはよ綾香!こんな時間に来るとは珍しい。どうしたん?」

「どーもこーもないっての。山ちゃんがさ、今日は時間通りに来ないともう口効かねぇぞとか言うから」

「でたよ山ちゃん。あんたのお気に入りだもんねー」

山ちゃん..っていうのは、うちの学校の保健室の先生。面倒見がよくて、24歳ということもあり、わたしだけじゃなくて結構女子からの人気はある。

「理音こそ、好きでしょ」

「馬鹿言ってんじゃないわよ、わたしはあんな爽やかなの嫌だもん。もっと根暗そうで、ネチネチしてて、そう、例えば..」

「根岸センセ?」

「あたり」

根岸センセは生物専門の、いかにも根暗そうな風貌。後ろ髪は綺麗に整ってるのに、何故か前髪はボッサボサで顔付きが分かりづらい。もちろん女子からの人気は理音以外からはほぼ無し。

「あんたも物好きだねぇ..」

「そー?あ、てかさ綾香」

「ん?」