とん、と支えられた。

はっと我に返り支えてくれた主を見ると、若い男性がいた。

ジャージで、ゆるい雰囲気を醸し出してる人。

若い男性。私が一番苦手とするタイプ。

意味もなく怖くなる。友達のお兄さんでも、学校の先生でも。本当に意味はない。男性たちに罪もない。でも、無性に怖くなる。

でも、この人はあまり怖く感じなかった。

なんでかな…なんて考えてる間もなく、その人に声をかけられた。

「怪我、ない?」

適度に低くて落ち着いた声。こくこくと頷くと、ぽん、と頭に手を置かれた。

そして、一言。

「これからよろしくね、俺の生徒たち」