「ふふふ…はははは!…これで…これでようやく…私の…ものだ…。君達如きに…私に勝とうなど…不可能に近いのだ…」
と、言葉を発し出したのはペルフィーゼ様だった。そしてペルフィーゼ様の奥にはギアがあり、目を手前側に向けると、私やマオ、キュールが倒れていた。
(これは…私の夢か?)
と、考えていると倒れ込んでいた一人の赤い髪をしてポニーテールに縛る少女が起き上がろうとしている。
「不可能…なんかじゃっ…ない!うちは…うち達は…やらなきゃいけない事…。使命を果たしに…来たんだ。あんたを倒して…こんな事がない様に…全てを…終わらせるの…。アリーシャは…私達に力を…勇気を与えて下さった。だから…うちは…それに応えたい!」
「アリーシャか…。与えたかなど目には見えぬ。本当に貰ったのならそれはただの加護に過ぎぬぞ」
「そうと…捉えるかは人それぞれ…。私は、加護とは捉えたりはしない。アリーシャが遂げることの出来なかった事を私達に託した。願いや思い。ノアの事も…」
「…」
「ペルフィーゼ様…は、私の憧れでしたの。ですが貴方は、私の目指す道より外れてしまいましたわ。ですから私達で、貴方の踏み間違えたその道を終わらせ…ますわ!」
「やってみr…」
「アンタのお陰とあのノアって奴のせいで僕の仲間…精霊達はバラバラになった。その分の落とし前を着けさせてもらうよ。…さっさとリギートをかいしな!」
「私は…生きるという事は…どういう物なのか、知らないまま生きてきました。…感情が無く、理解されず、重いとも痛いとも感じなかった。でも、皆と出会って私は…まだまだだけど、感情を知る事ができた。辛い事苦しい事、泣く事笑いあう事。貴方にはそうやって仲間と皆とできますか?私はもう出来る。貴方は…もう出来ないかもしれない。貴方の考える事は私の領域内には収まらない。でも、私は止めるべきだと考えます」
「アミリューの言う通りだな。俺はつまらんと思いながら笑い飛ばして生きては来た。本当の楽しさを知らずにな。だけど、こいつらと出会ってアミリューと同じく変われたんだ。あんたは…今からでも遅くはないと思うけどさ」
「…まだ君達にそれ程までの力が残っているとはな。…ピピペットよ。今こそ、君の出番。君が総べる世界を…」
ペルフィーゼはそう言って倒れ込み、キュールはペルフィーゼの元へと行こうとする、
「駄目だ。キュール…」
「ですが!」
「下がれ!!来るっ」
ペルフィーゼの周りには黒いモヤが立ち込めてそのモヤは身体に吸い込まれている。そして、そのモヤは身体より離れ人型を創り出す。
「久しぶり〜♪」
「くっ…」
モヤは人に変わっていく。
「あ、ペルちゃんは死んじゃってイイよ?今まで僕を守ってくれてありがとうね?」
身長は私よりも遥かに小さく、140位だろうか。水色よりも少し黒っぽい髪色で、うさぎの耳の様なフード付き黒色で濃いピンクが少し柄として入るパーカーを着ていて、下は黒色を主としたスカートを履き、靴下まで黒く全身が黒で統一されている不思議な少女が姿を現した。
「まだまだ先だけど、あまり遠すぎない位の時間に君…ルミに…本当に会えるよ〜!」
「ノア…誰に言っている?」
(これは夢の中の私ではなく今夢を見る私に言っているのか?)
「どういう事だ?私の名前を知っているのは…」
私は疑問に思い、本当に話し掛ける。
「それは秘密。改めて紹介するよ?私は、ピピペットこと、ノアロット・ピルピャペト。ノアって呼んでね?」
「ノア…?」
「うんうん!あーあ…時間ギレになりそう。だ・か・ら!僕は帰るね!また会おうね〜!バイバーイ!」
「ま…まって!」

「待て!」
「お前…大丈夫か?」