それは身内が褒められる感覚で。

いつか絶対優真を彼氏にすると、彼女になってやると決めていた。


トイレに行き、鏡を見ながら身なりを整える。

白い肌に新作のチークがよく発色している。今回のチークは当たりのようだ。

次にビューラーでまつ毛を上げてマスカラを塗った。

お気に入りの赤色のティントを下唇に乗せ、上唇と重ね合わせたら上から透明のグロスをつける。

前髪をクシで整えたら、完璧なあたしが完成する。

申し分なく可愛い。


「かれーん、帰ろー」


今日は久しぶりに優真から一緒に帰ろうと誘ってきてくれた。

だからあたしは柄にもなく浮かれて、喜びの感情で満たされていた。


「うんっ!」


甘い声で返事をして、優真の腕に自分の腕を絡める。

以前クラスの子たちにただの幼馴染みの割にスキンシップが多いのではないかと言われたことがある。

あたしはそれに対して、赤ちゃんの頃から一緒にいるからこれが普通になってるの、と答えたが全然そんなことはなくて、あたしからすればアピールしてるつもり。

いくら幼馴染みだからって好きでもない男にこんなベタベタするわけないでしょう?