ナオの方を見ると目が合って、にこりと笑みを向けられるから少しドキッとしてしまう。顔が良いから仕方ない。
「てか、レオとアヤは同じ学校でしょ?知らなかったのッ?!」
「まあ、こいつら全然学校行ってないからね〜」
吉原奈子が少し興奮気味に尋ねると、ナオが内容にそぐわない穏やかな表情で答える。
全然学校行ってないとかそんなの通用するものなの?
あたしはどちらかと言えば優等生タイプだし、身体も比較的丈夫だから今のところ無遅刻無欠席だ。
なんだか住む世界が違う人たちのように感じた。
「改めまして、櫻井華恋です。よろしくお願いしますッ」
控えめに笑顔を作り、軽いお辞儀とともに自己紹介をした。
あたしの顔は人によってキツく見えてしまうこともあるみたいだから、初対面の人にはなるべく優しい表情を作るようにしている。
だから今日も例外ではなく、一番印象が良い顔をした。一番というのはあたし調べである。



