君が私を好きということ。

せつなくんに案内されて、せつなくんの部屋に入る。

「外で、入ってこないように一応見とくから。」

そう言って、せつなくんが扉を閉める。

急いで着替えを済ませると、リビングに戻った。
お風呂場にバスタオルを入れる袋を取りに行った時、物音が聞こえなかったから、とわさんはもう寝たのだろう。

せつなくんは、リビングで薄い毛布をかけて寝ていた。
起こさないようにそっと隣に座ると、ちらりと横目にせつなくんを見た。

練習部屋では緊張していたから顔を見れてなかったけど、今見るとすごく整った顔立ち…
それに引き寄せられるように数分見つめていた。

せつなくんの手が、私の手に触れる。

「…手、繋いでも、いい?」

寝ていたと思っていたせつなくんに急に話しかけられてびっくりする。


「う、ん。いい、よ」

「嫌じゃない?」

「…うん」

そっと、せつなくんが私の手を握る。

何故か、その行動に不思議な心地よさ、安心する感覚を覚えた。
お陰で、さっきまでの恐怖感も全部忘れられた。

「も、寝よ。」

せつなくんが目を閉じて言う。

「うん。」

薄れゆく意識の中、それだけを言うと、私はまた、眠りについた。
いつもは感じない、人の温かみを感じながら。