拓、バイバイ。また会いたい。
泣き声で成瀬ははっきりそう言った。



海へ戻ってきた。
俺も成瀬も何も言わずに、暗くなっていく海を見ていた。

沈黙を引き裂いたのは、俺の意図しない声だった。

「成瀬」
「うん」

「俺成瀬のこと好き」
「知ってる」

ウザいって言ってたもんな、そうだよな。

「叶わないなんて解ってるけど、好きでいさせて」

「私は」