誰も知らない世界一のお姫様

「あの、お名前はなんと言うんですか?」


「菅野裕樹(ひろき)」


「裕樹さん、助けてくれてありがとうございました」



私は笑顔でお礼を言った


すると、裕樹さんの顔が赤くなっていくのがわかった



「裕樹さん、顔赤いですけど熱あるんですか?」


「なんもねーよ。お前は?」



急に言われ何のことか分からないでいると



「名前」


「あ、はい。西宮美麗亜です」


「美麗亜、なんであんな所にいた」


「家を抜け出してきたんです。だけど、行く宛もないし道もわからなくて、ただ歩いてたら声かけられて」


「家出か?」


「はい」