「猫まで!すごい偶然!チェシャ猫みたい!」

「偶然じゃない、必然だよ?」

猫はため息を吐きながら言いました。

「君に来てもらいたいんだよね」

そういって猫は立ち上がり、二足歩行をしました。

「え?え!何!何なの!」

「いちいち煩いよ?早く来てくれよぉ」

腕組をして、猫はバラの壁の前に立ちました。
猫はいやな顔をするので、仕方なく付いていきます。
はいはい、と猫は私の太ももを前足で押しました。

「えっちょっと待って!このままじゃぶつかっちゃうから!」

「いいから行けって!」

そういうと猫は私にとび蹴りをしました。
ふあ!!と私の間抜けな声があたりに響きます。

「ほら、大丈夫だろ?」

猫は得意げに言いました。
「本当だ…」と納得するほかに私の反応はありません。
目の前には明るい森が広がっています。

「こ、ここ…何?何処?」