俺が歩き出そうとすると、
「…ばか……」
後ろから小さな悪口が聞こえる。
美亜?
「どうしたんだよ!?」
一向をあげない美亜を心配してしゃがむ。
美亜が…泣いてる…?
どうしたんだ?
俺、なんか傷つけるようなこと言ったか?
「碧、私の事嫌いになっちゃった…?」
鼻を啜りながら美亜が言った。
それって、キスしなかったからだよな…。
「可愛すぎだから」
俺は美亜をまた抱き締めた。
さっきよりも強く。
俺のなかにあるこのでかい美亜への気持ちが伝わればいいのに…。
そしたら、不安になんかならないだろ?
「碧?」
「俺が美亜のこと嫌いになるとか有り得ない。俺は一生美亜以外好きになれないから…。泣かないで。美亜。」
「…うん」
美亜は俺の言葉を聞いて笑顔になった。
やっぱ笑顔が一番だよな。

